イメージから環境適応
以前こちらの記事で紹介した通り、海外ビジネススクール1.5年の学生生活を終え、外資Tech企業に入社してから、早くも10か月を迎えようとしています。(2026年5月現在)
あっという間だったと言えば、あっという間でした。
でもそれは、単純に時間が過ぎたというより、新しい環境に適応すること、そしてタフなプロジェクトに向き合うことに必死だったからかもしれません。
今回が3度目の転職で、40代前半で初めての外資系企業です。入社前は、
- 最先端AI
- グローバルな働き方
- 優秀な人たち
- スピード感
- 高い専門性
そんなイメージを強く持っていました。
もちろん、それらは実際に存在します。
でも実際に飛び込んでみて強く感じたのは、そういった「華やかな要素」以上に、 日々の仕事で本当に大切なのは「新しい環境にどう適応するか」だったということです。
外資企業といっても、成長ステージや従業員規模によって文化は全く異なります。
私の会社の日本法人は当時約400人規模。
これまで経験してきた大企業よりもかなりコンパクトで、 社長との距離も近い環境です。 製品知識も、社内プロセスも、組織文化も、コミュニケーションスタイルも—すべてが新しい。その中で、いかに早く自分をフィットさせていくか。
入社前に想像していた「外資Tech」という抽象的なイメージではなく、 「この会社」という具体的な環境にどう適応するか。 これが、最初の数ヶ月の最大のテーマでした。
幸い、フレンドリーでサポーティブな人も多く、まずはそこに安心しました。
人って、知らないうちに無意識に緊張しているんだな、と感じた瞬間でもありました。 (後から聞けば、長尾さんものすごく自然ですぐ溶け込んでいましたよ!って言われそうな気もしますが(笑))


<左:入社当日、右:快く写真撮影に応じて頂いた社長>
“理解してから動く”では遅い世界
入社直後数か月は、まず製品知識や関連資格取得し、社内プロセスを理解してから、徐々にプロジェクトに入っていくイメージを持っていました。
ただ実際には、オンボーディングと並行して、かなり早いタイミングで実案件へアサイン。(これはかなり特殊事例でプロジェクト都合上致し方なかったという理解です)
最初は正直、「いきなりプロジェクト参加か、ちょっと早いな」という感覚もありました。
でもすぐに置かれた組織状態やプロジェクト状況を踏まえ、考え方を変えました。むしろ、変わらざるを得ない状況でした。私の実績と経験値や、自分に一定の期待をしてもらっていたこともあり、この環境では、
“全部理解してから動く”
よりも、
- まず動く
- 会話する
- 調整する
- 信頼を作る
- 必要な知識をその都度取りに行く
この循環の方が圧倒的に重要だということです。実際には、プロジェクトやお客様との会話を通じて得た知識の方が、圧倒的に身につきました。
特にAIの領域は、今まさに黎明期でそのど真ん中にいる身としては変化速度が本当に速い。
“完成してから挑む”
ではなく、
“走りながらアップデートする”
感覚が必要なんだと再認識しました。
お陰様で、エンタープライズ向けのAIAgentやGenAIの導入プロジェクトにいきなりアサインされ、社内外のステークホルダーを調整、プロジェクトをリードしながらなんとか着地させられたかなと感じます。
難しい、ストレスフルな環境下での対応で久々のしびれる瞬間を何度も感じましたが、仲間や上司の皆様に助けられながらなんとかサバイブできたかと思います(笑)
このあたりのAIプロジェクトについては次回辺りに記載しようかと考えています。

<2025年10月東京ビッグサイトでのイベントで登壇機会を頂く>
「優秀さ」のイメージも変わった
入社前は、外資Techで活躍している人は、
“圧倒的な個の強さ”を持つイメージがありました。
もちろん専門性が高い人は多いです。
外資特有のインディビジュアルコントリビューター(IC)・マネージャー職の分類で特に、私の所属するカスタマーサクセス部門のアーキテクチャやテクニカルコンサルタントのICの方は経験豊富で技術領域に特化した精鋭は多いです。
でも実際に感じたのは、それ以上に、
- チームでやる、周囲を巻き込む
- 相手を尊重する
- オープンに共有する
- 助けを求める
- ちゃんと感謝を伝える
こういう”人としての動き方”がとても重要だということです。
興味深いのは、こうした姿勢が、一部の人だけでなく、 比較的組織全体に広く浸透していることでした。
恐らくこれは偶然ではなく、採用の段階から、専門性や経験だけでなく、会社の価値観に合う人を意識的に選んでいるからだと思います。
結果として、「チームを大切にする」「オープンに共有する」「感謝を伝える」といった 価値観が組織全体で一貫しており、それを支える仕組みもある。
だからこそ、新しく入った私のような人間でも、比較的早く馴染むことができたのだと理解しました。
また、コンサル時代に大切にしていた、常にアウトプットを意識すること、ロジカルに整理すること、会議で価値を出すこと、ゴールから逆算して組み立てることなど、こういった姿勢が体に染みついていたことは十分にここでも役立ちました。
一方で、製品の幅が広く、またライフサイクルが早いため、常にキャッチアップをしつつ、インプットの時間をよりとる必要があるというアジャストもより求められたと思います。

<2025年10月東京ビッグサイトでのイベントで仲間たちと!>
“英語”よりも大事だったもの
MBA留学や海外経験でコミュニケーションは比較的もまれたこともあり、ある程度はできる自信があったので必要以上には気にしておりませんでした。
ただ、実際に入ってみると、日常業務で英語を使う場面は全体の20%程度です。
当たり前ですが、お客様は日本のお客様を中心に製品やライセンスを購入いただき、導入や各種関連プロジェクトを進めていくため、日本語が中心です。但し製品開発部隊やサポート部隊はヘッドクオーターのUSや海外にいることが多く、こことのやりとりは必然的に英語になります。
外資=英語という構図ではありません。
職種やプロジェクトにもよるので一概にはいえませんが、あれば強いことは間違いありません。
ただ実際に働いてみると、英語そのもの以上に大切だったのは、綺麗な英語よりも、「こいつは何が言いたいのか、なぜそれが必要なのか、そして本気か」という本質的な内容の方が重要でした。
顧客に導入しようとしている製品にバグがあり、開発部隊やサポート部隊と切った張ったで、こちらの要求の正当性を伝えたり、不具合修正やその時期のコミットをもらわなくてはなりません。
ただ相手もなかなか製品のバグを認めないこともありますので、負けない気概や、組織ストラクチャーを踏まえたエスカレーション(その担当者の上司やキーマンへのアプローチ)、会社・組織全体のビジネス意義みたいなものを適切に伝えていく。
場合によっては、自分ではなく上司から打診してもらうこともあります。
このような場合、もちろん英語力も必要ですが、それ以上に重要なのは「誰に」「どのタイミングで」動くかでした。
こういった機会は頻繁にはないですが、こういった重要度も高く緊急性の高い対応を、いかに主体性をもって行動するかが社内外の信頼につながるということです。
英語の話からすこしそれてしまいましたね!
“すごい会社”より、“自分がどうありたいか”
外資Techに入って、もちろん刺激はかなりあります。
- 新しい技術
- AI・AIAgent
- グローバルな環境
- 優秀な人たち
でも今感じるのは、結局大事なのは、
「自分がどういうビジネスパーソンであり、どういう人でありたいか」
という軸でした。
これは、海外ビジネススクールで一人異国の地で生活し、自分と向き合いながら常に考え続けてきたことです。場所が変わっても、この軸は自分の中に残り続けています。
忙しい日々の中でも、
- 周囲への感謝や配慮
- 誠実さ
- 学び続ける姿勢
- 身体の鍛錬
- 規則正しい生活
- 少しずつ前に進むこと、等
こういう基本的な部分ほど、最後は効いてくる気がしています。
まだまだ若い会社で勢いのある会社で、どんどん新しい人が入ってきて、入社10か月という数字も全然新しくなく、そのギャップも今までに感じたことのない感覚で新鮮です。
そんな中で、分からないことや新しいことも増えている中だからこそ、これからの変化も楽しみながら、一歩ずつ進んでいきたいなと思います。

<子どものような好奇心も忘れずに!>
最後に、この会社のユニークな文化について触れたいと思います。
“従業員を楽しませる会社”
面接のとき、面接官の方が言っていた「従業員を楽しませる会社」という言葉が、ずっと頭に引っかかっていました。「これはどういう意味だろう?」と思っていましたが、入社してすぐにその意味が分かりました。
- 月次ランチ
- 誕生日イベント
- 足つぼマッサージ
- 大きな冷蔵庫(飲み物がいっぱいある)
- 季節ごとのオフィスのデコレーション
- 田植えボランティア、等々(挙げればきりがない)
私個人としては、こういったものは初めてで、一番衝撃を受けたことかもしれません(笑)
これ、なんだか自然とオフィスに行きたくなるんですよね。
ちょっと外資企業やこういったカルチャーを大切にする環境にいる人は当たり前なのかもしれませんが、私は新鮮で良いなって思いました。
ちょっと“外資=ドライ”というイメージとの差分になる要素かもしれませんね。
でも、高い成果をしっかり求められることも念のため付け加えておきます(笑)


<様々な愉しいイベントも大きな魅力>
AI時代だからこそ、
最後は「この人と働きたい」と思ってもらえるか。
最近はそんなことを以前より強く考えるようになりました。
次回は、AI・キャリアに関する内容を書こうかなと思います。それでは最後まで読んで頂き有難うございました。
