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Hult MBA 振り返り④ 〜Spring2 ピークパフォーマンス!:パフォーマンスさらに向上、リーダーシップを遂に発揮〜

みなさん、こんにちは!Miino.です。

前回のSpring1の記事では、2024年1月中旬〜3月上旬の「リフレッシュして再スタート、パフォーマンスゾーンへ突入」についてお伝えしました。今回は、その続きとなるSpring2(3月上旬〜4月末)の体験をシェアします。

この時期は、「ピークパフォーマンス!:パフォーマンスさらに向上、リーダーシップを遂に発揮」と位置づけています。Spring1までに築いたパフォーマンスゾーンの基盤をさらに発展させ、より高度なアウトプットと新たなリーダーシップスキルの開花を実感できた重要な成長期でした。

Spring2の全体的な印象:ピークパフォーマンスの達成

Spring2は必修科目の最終ブロックで、これまでの学習の集大成とも言える期間でした。英語コミュニケーション能力、チームワークスキル、そして各専門領域への理解が相互に作用し合い、質の高いアウトプットを継続的に生み出せるようになりました。

この時期の特徴は、単なる課題の消化ではなく、戦略的思考リーダーシップの発揮にシフトしたことです。チームプロジェクトでは自然とファシリテーター役を担うようになり、異なる視点を統合しながら建設的な議論を導く経験を積むことができました。

Spring2で履修した主要科目

Leading with Purpose

担当教授Prof. Dr. Belisa Marochi

道徳と倫理の本質を深く探求し、リーダーシップにおける価値観の重要性を学ぶ科目でした。

Key takeaways:

  • Moralと Ethics:どちらも目的は、”正しい”行動や意思決定を導くことを目的としている。Moralは内部・個人的、Ethicsは組織やビジネスの文脈で語られる
  • 答えのないものに答えを出す:文化的バックグラウンドの違いが、唯一の”正しい”答えを出すことが難しい時代になっている。違いを前提としたコミュニケーションの姿勢が第一歩である
  • Behaviorの根本は?:Value、Norm、Artifactという概念の関連性を理解した。最も見えづらいValueは何なのかを理解し、日々考え行動しに反映させる

感想・体験: GVV(Giving Voice to Values)や大手企業の不祥事の事例から、個人の力は弱く、社会や組織の圧力に簡単に左右されてしまうことも痛感しました。(価値観との対立、実践の難しさ)

また日本人である私の道徳観や倫理観は、自己反省や社会規範の遵守を促す「恥」などの文化的価値観に深く根ざしていることを改めて認識しました。「恥」を単に否定的な感情としてではなく、自己反省と倫理的行動を促す内なる羅針盤として捉えることの意義を学びました。

AI and the Future of Work

担当教授Prof. Rehan Khan

現代のビジネスパーソンには必須のAIリテラシーを体系的に学べる科目でした。

Key takeaways:

  • 積極的に受け入れる姿勢:まさに今が黎明期、個人としても組織としても怖がる姿勢よりもその存在を否定せず受け入れ、取り入れていくステージであることを深く理解
  • リスク・懸念事項を必ず考慮する:万能ではなくバイアスや間違い等の弱点を具体的に理解できた。これらを踏まえ、”unexpected result(予期せぬ結果)”がある前提で、極小化することを前提に注意深く検討する姿勢も大切
  • Collaboration:Humans Assisting Machines, Machines Assisting Humansというキーワードが好きだ。今後より社会に浸透し、相互に助け合いながらよりよい未来を作っていく希望を持っている。そうドラえもんや鉄腕アトムのような!

感想・体験: 壮大なトピックスにも拘らず、プロフェッサーRehanの実ビジネスの幅広い知識と具体的事例のお陰で具体的にわかりやすくイメージできとても有益でした。多様なポジションや多角的な視点でAIに関する洞察を深めていく視野の広さにも驚きました。Pro/Conを踏まえ、より社会・ビジネスに活かす具体内容を考えていきたいと思わせるきっかけを作ってくれました!

Global Business Strategy

担当教授Prof. Dr. Yusaf Akbar

クラスを巻き込んだインタラクティブなディスカッションと戦略論の真髄を学ぶ、非常に刺激的な科目でした。

Key takeaways:

  • 戦略とは:Vision and MissionにアライメントしたStrategic Goals and Objectives(Specific targets、Measurable outcomes)を達成する必要あり
  • 実行の難しさ:戦略的には正しくも、実行面で失敗するケースが多い。Kodakのケーススタディーにて理解。立案と実行の両面アプローチをどのように実現していくかがキーポイント
  • 戦略の模倣はうまくいかない:他社のコピーではなく、市場ポジション、コアコンピテンス・組織を踏まえた戦略立案が必要である

感想・体験: プロフェッサーYusafの実例を交えたケーススタディの説明と生徒からの質問を踏まえたクラス全体を巻き込むディスカッションが有益で、ライブなクラスがとても好きでした。加えてプロフェッサーのはっきりとした説明やYes/Noの回答が、わかりやすく多くの新しい戦略用語の理解定着に大きく役立ちました。異端思考に憧れを抱くきっかけとなりました。またイノベーションの3要素 (Invention(tech) + Scaling(Economical Scale) + Commercialization(Selling))も目からうろこの内容でした。

Project Management

担当教授Prof. Dr. Nick Wake

私の既存プロジェクトマネジメントスキル・経験を整理・体系化し、さらに向上させることができた実践的な科目でした。

Key takeaways:

  • はっきりしないものから形作る:プロジェクト初期は、とくにはっきりとしない状態である。そこにいかに関係者の思いやニーズをくみ取り、プロジェクトとして”形作るか”がキーポイントである
  • 網羅的視点:Project Initiation Document(PID)に何を含め何を記載するのか、具体的な分析手法やテンプレートを用い網羅視点でプロジェクトを明記しマネジメントすることを改めて再確認できた
  • 5 Why Analysis:根本原因追及の手法で、日本にいる時から馴染みがあった。海外でもPMの世界ではスタンダートであることを認識した。個人の思考深化にも有用である

感想・体験: これまでのProject Management経験を再度様々な異なるケースで再整理し、経験値を体系化し振り返る絶好の機会であった。今後のPM活動にさらに価値を加えてプラスの効果をもたらしてくれるそんなクラスであった。この時期も忙しいが、無理をして小旅行をし、旅行先でチームアクティビティーを進めていたことが懐かしい。制約や前提条件を設定の中で、いかにゴールを達成するか、この小旅行やHultJourney自体もセルフプロジェクトのようなものだ!

Business Challenge IV

担当教授Prof. Dr. Mark Esposito

コアコース最後のサブジェクト!ドバイの抱える課題をDubai Future Foundation(DFF)向けへのソリューション提案という、非常に実践的で挑戦的な科目でした。

Key takeaways:

  • 徹底的なリサーチ:信頼のおけるソースをもとにした数値と正確な現状把握による問題の絞り込みの重要性
  • アカデミックに課題解決提案:引用元明示などアカデミックな要素を押さえながら、現実的かつ効果的なソリューション提案をプレゼンテーションにまとめる工程の経験
  • 自己主張:全てのチームアクティビティーの中で最も自己主張を強くしたと思う。コンストラクティブコンフリクトから様々なアイディアが生まれたことを実感

感想・体験: コアコース最後のサブジェクトだ!ここドバイの抱える課題をDubai Future Foundation(DFF)向けへのソリューション提案だ。テーマ選定・構想立案からプレゼンまでの約一か月のロングランだった!プロフェッサー:マークを始めとしたFacultyメンバー、Catalystの皆さま、そしてDFFの関係者のお陰で、この素晴らしい舞台での最後のプレゼンテーションを行う機会を得られたことに深く感謝したい。他チームの発表も素晴らしく、出会いと学びの多い一か月だった。そしてチームのみんな本当にありがとう!最高のチームでした!

<Dubai Future Foundation(DFF)での最終プレゼンの様子>

Spring2期間中の成長実感

リーダーシップスキルの開花

この時期最も大きな変化は、チーム内でのリーダーシップ発揮でした。これまでは「お荷物にならないように」という少々守りの姿勢が強かったのですが、Spring2では積極的にチームを牽引する場面が増えました。

特に戦略系の課題では、日本での実務経験を活かしながら、異なる文化背景を持つメンバーの意見を統合する役割を担うことが多くなりました。

英語コミュニケーションの質的向上

量的な向上に加えて、質的な向上を実感できた期間でもありました。単に「伝わる」だけでなく、「説得力のある」「論理的な」コミュニケーションができるようになってきたと感じました。

戦略的思考の習得

特にGlobal Business Strategyの影響で、物事を戦略的に捉える視点が身につきました。日々の学習活動や課題に取り組む際も、短期・中期・長期の視点で捉えるようになりました。

<クラス中やキャンパス近くのカフェでのランチの様子>

次のステップに向けて

Spring2を通じて、ようやく自分が目指していた「MBA学生」としてのパフォーマンスを発揮できるようになったと感じています。Fall期間の適応フェーズ、Spring1のパフォーマンスゾーン突入を経て、Spring2では真の意味での「ピークパフォーマンス」を体験・実践できました。

次のSummer期間では、これまでの必修科目はなく、選択科目を学習していくことになります。また他のプログラムの方たちと共に学ぶ機会となるため新たな出会いもありわくわくしますが、半年一緒に切磋琢磨してきたコホートのメンバーと会うヒントが減るため寂しくも思っていました。

皆さんも、もしHult MBAを検討されているなら、この「ピークパフォーマンス」体験は必ず訪れます。そのための基盤づくりを、初期期間から苦しいながらもトライを続けコツコツと積み重ねていくことをお勧めします!

次回は、いよいよSummer期間の体験をお伝えします。お楽しみに!