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Hult MBA 振り返り② 〜Fall2 プログラム進展期:超多忙なスケジュールの中での成長〜

みなさん、こんにちは!Miino.です。

前回のFall1記事では、ドバイキャンパスでの最初の1.5ヶ月間(2023年10月初旬〜11月中旬)の「初期適応期間」についてお伝えしました。今回は、その続きとなるFall2(11月中旬〜12月末)の体験をシェアします。

この時期は、「プログラム進展期:超多忙なスケジュールの中で、もがきながらも全ての環境に慣れることを継続」と位置づけています。Fall1で築いた基盤の上に、異なる専門的で挑戦的な科目が登場し、同時に英語コミュニケーション能力も徐々に向上していく重要な転換期でした。

Fall2の全体的な印象:プログラム進展期

Fall2は、Fall1の初期適応から一歩進んで、より専門的な内容への挑戦と、チームワークの深化が特徴的でした。この時期になると、クラスメートとの関係も徐々に深まり、より建設的な議論やチームプロジェクトが可能になってきました。

しかし、スケジュールは格段に厳しくなり、Winter Break直前のBusiness Challenge IIの時期には、コホート全員が疲労感とストレスのピークに達していた状況でした。それでも、お互いを支え合いながら最後まで手を抜かずに取り組む姿勢を学んだ貴重な期間でもありました。

英語コミュニケーションの変化

Fall2期間中に、英語コミュニケーション能力に大きな変化が現れました:

2-4ヶ月目の進歩

  • 徐々に言っていることがわかるようになった
  • 意見を言うことにも少しずつ抵抗がなくなってきた
  • 英語インプット→英語脳で処理→英語アウトプットの脳内サイクルが徐々に構築された
  • 負のスパイラルから徐々に抜け出し始めた

特にHigh Performance Teamsの科目で学んだ「Psychological Safety(心理的安全性)」の概念が、実際のコミュニケーション改善に大きく貢献しました。

Fall2 科目別振り返り

#6 High Performance Teams

担当教授: Prof. Dr. Belisa Marochi

Key Takeaways:

  • Differentiated between Groups and Teams: チームには問題解決、意思決定、そして集合的な成果物が求められ、結果に対してシビアで時には厳しい意見交換が必要であることを学習
  • Established Psychological Safety: 判断や拒絶を恐れることなく、真の自分でいられる環境を構築。Hultとコホート内でこれが実現できたため、安心して挑戦できる基盤を獲得
  • Embraced Constructive Conflict: 対立して疎外するのではなく、相互理解を深める営みとして建設的な衝突を理解し、Spring学期以降で恐れずに対応できるスキルを習得

感想・体験: この科目で初めて具体的にDEIB(Diversity, Equity, Inclusion, Belonging)概念を学習しました。多様なナショナリティと文化的背景を持つ我々のコホートは、まさにDiversityの最たる例でした。Inclusion、Equity、Belongingの重要性と、今後の活動や組織への構築方法について深く考え始めた重要な時期となりました。またこの概念を、Springの寿司イベントに応用しています。

#7 Business Insights through Data

担当教授: Prof. Dr. Lawal Yesufu

Key Takeaways:

  • Engaged in ESR Debate: AI倫理、持続可能性、責任についてのチーム活動で、反対の立場からのディスカッションを通じて視点を拡大
  • Grasped Business Insight Essence: データ分析の目的は実ビジネスにアクショナブルな提案を行うことであり、データ分析自体を目的化してはならないことを強く認識
  • Applied PowerBI Creatively: 講義では扱わなかったテキスト分析にもPowerBIで挑戦し、データ分析への強い好奇心を発見

感想・体験: Kaggleデータセットの選定から、データ前処理、分析、PowerBIビジュアライゼーション、ビジネスインサイト提言まで、一連のプロセスを体験できました。個人的には非常に楽しい時間でした。アサインメント早期段階での効果的なデータセット選定は、これまでのコンサルタント経験で培った仮説思考やトップダウン思考が活かされた結果でした。

#8 Financial Management & Decision Making

担当教授: Prof. Dr. Mufeed Rawashdeh

Key Takeaways:

  • Present Value and Time Value of Money: ファイナンス基礎理論を理解し、現在企業価値の評価・算出手法を習得
  • Applied Finance to Everyday Life: 株式、債券、年金などの身近な金融商品の理解により、ファイナンス概念の理解促進と応用力を向上
  • Complexity of Future Forecasting: ファイナンス理論を用いた企業価値・成長予測の様々な分析手法を学び、その複雑さと困難さを実感

感想・体験: 実際の財務諸表、株価、米国債データを用いた分析手法(Growth Analysis、Risk and Return Analysis、Performance Analysis等)での将来予測は個人的に非常に興味深い体験でした。Winter Break直前に仲間たちと議論しながら取り組んだことも良い思い出です。教授の理論説明から実際の実践までのギャップの難しさを感じつつも、ファイナンス分野への強い興味を持つことができました。

アカウンティングと同様グロービスのファイナンスの本で基礎固めやクラスでの不明点を日本語で確認できるという事で重宝しました。

#9 Applied Economics & Managerial Decision Making

担当教授: Prof. Dr. Mark Esposito

Key Takeaways:

  • Recognized GDP’s Limitations: 数十年前に作られた単一指標では現在の複雑な状況下での国家評価は不可能であることを理解。ECI、GCI、SPIを用いた多角的分析の必要性を認識
  • Tangible to Intangible: 土地・ハードウェアなど従来資産から、暗号通貨・ソフトウェアなど無形資産への比重移行というパラダイムシフトを理解
  • Developed Interconnected News Analysis: ニュースを単独事象としてではなく、相互関連する出来事として捉え、グローバルトレンドへの個人的視野を拡大

感想・体験: Professor Markの膨大な知識量、瞬時に出てくる正確な数字、そして魅力的な語り口調に圧倒されました。マーケティングや問題解決視点に偏りがちでしたが、需要供給曲線などの経済学的視点を獲得できたことは大きな収穫でした。

#10 Business Challenge II

担当教授: Prof. Ghaith Abdul Rahman

Key Takeaways:

  • Specific Problem Identification: 企業問題解決において、ソリューション提案から始めがちだが、明確な問題定義の基本的重要性を再認識
  • Customer Journey Mapping: ソリューション実施前後のカスタマージャーニー対比により、具体的効果を視覚的・直感的に訴求する手法を習得
  • Cultivated Perseverance and Resilience: どのような状況でも最後まで努力、適応性、チームモチベーションを維持する実践を体験

感想・体験: Winter Break前最後の科目で、コホート全員が疲労とストレスのピークにあった時期でした。実際の航空業界ビジネス課題に対するソリューション提案に向けて、疲労と体調不良の中、深夜までディスカッションを重ねました。他チームのプレゼンテーションから多くの学びとインスピレーションを受け、プレゼンテーション後のディナーでの達成感と爽快感は今でも鮮明に記憶しています。

Fall2を通じて身についた重要な姿勢

Fall1からFall2を通じた約3ヶ月間で身についた重要な姿勢として、以下が挙げられます:

1. ハードワーク・自分に集中

時間があればとにかくキャンパス(土日含む)で勉強、英語トレーニング。「Hult生活への没入」する姿勢を確立しました。他人と比較せず、昨日の自分より今日の自分に全集中することを学びました。

2. チームエンゲージメント

チームメンバーの特徴分析、ディスカッションの俯瞰的観察を通じて、チームに不足している部分や自分が貢献できる領域を積極的に発見し、ハードワークする姿勢を身につけました。

3. 健康第一

10ヶ月のロングランを見据え、十分な睡眠×栄養×適度な運動をバランス良く取り入れ、海外生活ストレスを軽減する日々の改善を実践しました。

Fall2を振り返って

Fall2(11月中旬〜12月末)は、「プログラム進展期」として、Fall1で築いた基盤の上により専門的で挑戦的な学習に取り組んだ重要な時期でした。

英語コミュニケーションの進歩: この時期に「負のスパイラル」から徐々に抜け出し、英語での理解度と発言力が大幅に向上しました。特に、Psychological Safety概念の実践により、安心してコミュニケーションを取れる環境が構築されました。

学習内容の深化: 各科目で得られた学びは、単なる知識習得を超えて、実践的なスキルと新たな視点の獲得につながりました。特に、データ分析、ファイナンス、経済学的視点は、今後のキャリアにおいて重要な基盤となることを確信しています。

チームワークの深化: Winter Break直前の極度の疲労とストレス状況下でも、チームメンバーと支え合いながら最後まで手を抜かずに取り組む経験は、真のチームワークとは何かを教えてくれました。

Fall2の終了により、MBA前半戦の基礎固めが完了し、Spring学期に向けたより高度な学習への準備が整いました。また、ドバイでの生活にも完全に適応し、「物理的安全スペース」「心理的安全スペース」の両方を活かした充実した学習環境を確立できました。

<Fall2修了時のチームでの記念写真>

次回のブログでは、Spring学期での学びについてお伝えする予定です。新たな専門的な科目や、新たなチャレンジについてシェアしたいと思います。

今回の記事が、これからHultに挑戦される方や現在受講中の方の参考になれば幸いです。Fall2での「プログラム進展」体験が、皆さんの学習計画策定に少しでも役立てば嬉しく思います。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!