みなさん、こんにちは!Miino.です。
前回の記事は、Hult MBAの振り返りシリーズの最終版として、イベント体験についてお伝えしました。今回は番外編として、MBA卒業後の半年間のDual Degree(二つ目の修士号)のMBAN(Master of Science in Business Analytics)プログラム中に実施した個人的な特別チャレンジ「30 Days Left Quest: WHO IS MINORU?」について、その実施過程と分析結果をシェアします。
この企画は、ドバイMBAで学んだLeadershipにおけるSelf-Awareness(自己認識)を助ける客観的データ分析をボストンMBANで習得した、R言語による非構造化データ分析(NLP)のスキルを組み合わせた、まさにMBA&MBAN DD学習の集大成プロジェクトでした。これは学校課題ではなく、個人的な取り組みとして行っています。
なぜこのチャレンジを始めたのか
MBAN DD修了まで残り30日となった時、そして最終日の最後の最後まで、みっちり課題やクラスが詰まっており相当タフな中、仲間との学びの貴重な期間をより意味のあるものにしたいと考えました。そして、仲間との思い出作りと同時に、1.5年のHult生活を通じて、自分自身がどのように成長し、他者からどう見られているのかを客観的に知りたいという強い好奇心が湧きました。
特に、ドバイMBAで学んだLeadershipコースの中で扱ったSelf-Awareness(自己認識)が他者からの認識はどうなっているのか、実際のビジネス分析スキルを使って検証してみたいという実践欲求がありました。そこでMBAN DDで身につけた非構造化データとしてのテキスト分析を実際の場面で活用するアイディアを思いつき、実践してみました。
MBAN DDについて: 詳細なプログラム内容や体験については、別記事「MBAからビジネスアナリティクスを極めるデュアルディグリーの魅力を初公開!」をご参照ください。サマリとして、Python、SQL、Rのプログラミング言語を使った実践的なデータ分析、機械学習、そして構造化データ(テーブルデータ)や非構造化データ(テキスト等)の分析手法を、実際のビジネス課題に応用する6か月間の集中プログラムです。MBAで学んだ戦略的思考とデータアナリティクス・データサイエンススキルを融合させる、非常に実践的な内容となっています。
Challenge Objectives(チャレンジの目的):
- Personal Discovery Journey: 他者の視点を通じて自分のユニークな特質を発見
- Relationship Appreciation: 価値ある人間関係との思い出深い体験の創造
- Text Data Analysis Application: フィードバックを実用的な洞察に変換

3つの明確な目的を持ってチャレンジを設計しました。
実施手法:MBA&MBAN DD学習の実践応用

上記の3つのステップで進めています。
データ収集フェーズ
サンプル(兼思い出作り!)として32人分の調査収集として、主にHultボストンキャンパスのMBAN DDプログラムの仲間たちを中心に、私をよく知る人々にアンケートを実施しました。質問内容は以下の通りです:
TODAY’S RESPONSES FROM:
- What’s one quality that makes Minoru truly unique?
- What’s Minoru’s greatest charm?
- Your message or encouragement
皆に個別にお願いをして、一人一人WhatsAppで上記の回答をもらいました。そしてキャンパス等で写真を撮り、これらの情報を事前に定めたフォーマットで画像として作成。
それを卒業まで毎日毎日1人ずつ、32日間連続でInstagramに投稿し続けました。個人的にその人や関係性を示す音楽も挿入しています!みんなから色々な温かいメッセージを受け取り嬉しい限りでしたが、毎日作って投稿していくのは結構大変でした!(笑)

今日の人としてこの形式でまとめていきます。
左側は私に対する答え。そして、右側は私からのメッセージ
分析フェーズ
思い出作りとしてみんなから答えてもらったテキストデータをインプットとして以下の手法で分析しました:
Analysis Approach and Methods:
- Word Frequency Analysis – 最頻出単語の特定
- Comparative Analysis – UniqueとCharmの比較分析
- Word Correlation Analysis – 単語間の相関関係
- Sentiment Analysis – 感情極性の分析
- Bigram Network Analysis – 単語ペアのネットワーク分析
これらの分析手法は、R言語を使ったNLP(Natural Language Processing)のデータアナリティクススキルを応用したものです。具体的には、非構造化データ(テキスト)を定量的に分析し、ビジネスインサイトを導出する手法の実践活用となります。
とはいえ、時間の制約や技術的なハードル等もあるので、そこはChatGPT等をフル活用してコーディングをどんどん進めていきます。
分析可視化・結果:データが語る私の特徴
Top Two Words – 私を表す最重要キーワード
分析の結果、私の特徴を表す最も重要な2つのカテゴリが浮かび上がりました:
01 UNIQUENESS(ユニークさ)
- Learning (8 mentions): 継続的な学習と成長マインドセットへの情熱が、私をユニークにする最も顕著な特質
- Curiosity (5 mentions): 新しいアイデアを探求したいという自然な探究心と欲求
02 CHARMING(魅力)
- Positive & People (6 mentions): 私のポジティビティと楽観的な展望が、最も頻繁に言及される魅力的な特質
- Genuine (4 mentions): 他者との誠実で真摯な交流方法が強い印象を与える

32人からのフィードバック分析で明らかになった、私を特徴づける2つの重要な要素。
詳細分析結果
単語相関分析:
- 「Learning」は「academic」(相関係数0.65)、「seeking」(0.65)、「personal」(0.65)と強く関連
- 「Positive」は「impact」(相関係数0.50)、「energy」(0.50)、「kindness」(0.43)と強い関連性
感情分析:
- Uniqueness: 95.95%ポジティブ(ポジティブ単語71個 vs ネガティブ単語3個)
- Charm: 96.63%ポジティブ(ポジティブ単語86個 vs ネガティブ単語3個)
これらの結果は、人々が私の人格の両面をこのようなワードで評価していることを示していると言えるのではないでしょうか。


最も重要な洞察:Hult入学前の価値観との一致検証
MBA開始前に設定した価値観との驚くべき一致
この分析から得られた最も印象的な洞察は、Hult入学前(2023年)に私が設定した価値観と、1.5年後に他者から評価された特徴が驚くほど一致していたことです。
入学前に設定した「Code of Personal Conduct」:
- Self-growth – 昨日の自分より1ミリでも成長する
- Enjoy – どんな時でも愉しめ!
- Continue – 止まるな、前進し続けろ
- Happiness – 幸福を積極的に追求する
- People around me – 友達を大切に!
- Smile – 自分も笑顔、相手も笑顔にしよう
- Challenge – 常に挑戦心をもって
- Global/Diversity/Cross Border – 異文化・多様性から学び、楽しめ

さらに設定していたMotto:
- “Persist in my personal growth while relishing every moment.”
- “Cultivate happiness and spread smiles to those in my orbit.”
- “And perpetually embrace global challenges!”


マンダラチャートで価値観分析を実施してCode of Conduct と Mottoに反映しています。
データ分析結果との驚くべき符合
32人からのフィードバック分析で最も頻出した特徴:
Uniqueness(ユニークさ)の上位キーワード:
- Learning (8 mentions) → 入学前の価値観「Self-growth」と完全一致
- Curiosity (5 mentions) → 「Challenge」「Continue」の価値観と関連
Charm(魅力)の上位キーワード:
- Positive & People (6 mentions) → 「Happiness」「Smile」「People around me」と直接対応
- Genuine (4 mentions) → 設定した価値観の実践が他者に伝わった証拠
価値観の耐久性と普遍性の証明
この結果は、1.5年のHult × インターナショナルな経験が、価値観の根本的な変革というよりも、元々持っていた既存の価値観の強力な強化と表現の洗練だったことを客観的に証明していると言えるのではないでしょうか。
特に注目すべきは、自分の価値観が以下の変化を経ても一貫していたことです:
- 地理的変化: 日本 → UAE・ドバイ → USA・ボストン
- 文化的環境: 日本企業 → 多国籍MBA環境 → アメリカビジネススクール
- プログラム: MBA(ジェネラルマネジメント) → MBAN DD(データサイエンス特化)
- 年齢層変化: 平均年齢28-35歳ぐらい(MBA) → 平均年齢26歳(MBAN DD)
この一貫性は、内なる価値観と外向きの表現との間の一致を示唆しています。
内なる価値観と外向きの表現の一致
この自己認識と他者からの認識との一貫性は、内なる価値観と外向きの表現との間の本物の一致を示唆しています。つまり、私の考えや気持ちが言動や行動に転換され、自身の価値観を正しく反映し、他者に正しく受け止められたということと理解しています。
これは普通のことなのでしょうか、それとも特別なことなのでしょうか?私にはわかりませんが、意味のある発見だと思います。そして私自身は、どんな環境においても、自分の大切にしている価値観に沿って考え、行動をしていたつもりですので、このデータによる客観的な結果は、なんだかとても嬉しかったです。
読者の皆さんへの実践的価値
MBA&MBAN DDスキルの統合活用例
このチャレンジは、以下のような学習成果の統合を実現しました:
ドバイMBAで学んだスキル:
- Leadership: Self-Awarenessの重要性
- 多様な文化環境でのコミュニケーション能力
- チーム構築とネットワーキング
ボストンMBAN DDで学んだスキル:
- R言語を使った統計分析
- 非構造化データ(テキスト)の処理と分析
- データ可視化とインサイト抽出

MBA時代にまとめたAuthentic Leadershipの重点四要素(Self – Awarenessは一番上)
このチャレンジを自分でも試してみませんか?
実施方法:
- 期間設定: プログラム修了や転職など、人生の節目の30日前に開始
- 対象者選定: あなたをよく知る同僚、友人、クラスメート20-30人
- 質問設計: シンプルで答えやすい質問を3つ程度
- 継続投稿: SNSやメールで毎日継続してシェア
- データ分析: 収集したテキストをR言語またはPythonで解析
必要なツール:
- Google Forms(アンケート収集)、GoogleSpreadSheet
- R言語またはPython(テキスト分析)
- Shinyやggplot2やTableau(可視化)
期待できる効果
- Self-Awarenessの深化: 客観的データに基づく自己理解
- 学習スキルの実践応用: 授業で学んだ分析手法の実用化
- 人間関係の強化: 質問プロセスを通じた絆の深化
- キャリア開発: 他者から見た強みの明確化と定量化
もし興味があれば、私が使ったRコードやアンケートまとめのスプレッドシート、のほか各種テンプレートはお渡しすることも可能です!
特別な感謝
忙しい中アンケートに協力してくれた全ての人に心から感謝しています。そして、今回のチャレンジの実現に特別な貢献をしてくれた3名の方々にスペシャルサンクスです:
- Soumana: 今回のチャレンジのカバー画像のオマージュを快諾し、セルフアウェアネスの視点で、いつもインスパイアしてくれました!
- Crysel: このアンケート作成のきっかけを作ってくれ、いつも応援してくれるね!
- Prof. Thomas (Data Pirates Captain): NLPのテクニックを教えてくれた教授です!






32日間のチャレンジを支えてくれた素晴らしい仲間たちに心からの感謝を込めて。
まとめ:MBA&MBAN DD学習の真の価値
この30 Days Challengeは、Hultでの1.5年間の学習の真の価値を体現する体験となりました。ドバイMBAで学んだLeadershipにおけるSelf-Awarenessの概念を、ボストンMBAN DDで習得した実践ビジネスアナリティクステクニック(R言語によるNLP分析)で客観的に検証するという、理論と実践、そして複数プログラムでの学習成果の統合を実現できました。
何より印象深かったのは、Hult入学前に設定した価値観が、1.5年間の国際的な学習体験を経ても一貫して他者に伝わっていたという事実です。これは単なる偶然ではなく、価値観に基づいた行動の継続と、それを支える学習環境の質の高さを物語っています。
32日間毎日継続するという小さなコミットメントが、私の予想を超える大きな学びと感動をもたらしてくれました。データ分析の結果以上に、一人ひとりからの温かいメッセージと、それを支えてくれた仲間たちの存在こそが、この企画の最大の成果だったと感じています。
この取り組みの意義:
- 価値観の検証: 自己設定した価値観の客観的な確認
- 学習成果の統合: MBA理論とMBAN DD実践スキルの融合活用
- Self-Awarenessの深化: データに基づく自己理解の向上
- 継続の力の実証: 小さな日々の積み重ねがもたらす大きな成果
皆さんも、自分が学んだスキルを統合的に活用して、何かの節目でこのようなチャレンジを試してみませんか?きっと予想以上の発見と感動が待っているはずです!
最後まで読んで頂き有難うございました!また次の記事で会いましょう!
