書評

5分で分かる「論語と算盤」② ~渋沢栄一へ敬愛の念を込めて~

今回は前回(➀で第1章から第2章まで)の続きの、第六章からを記載しています!

第1章:処世と信条
第2章:立志と学問
第3章:常識と習慣
第4章:仁義と富貴
第5章:理想と迷信
第6章:人格と修養 ←ここから
第7章:算盤と権利
第8章:実業と士道
第9章:教育と情誼
第10章:成敗と運命

第6章:人格と修養

修養とは人格を磨くことであり、これは老若男女問わず、精神・身体、知識・見識、行い全てを磨き上げていき、自分一人のためではなく、社会や国家の繁栄に寄与するべきものである。

⇒仕事の成果や結果はもちろん大切ですが、成果を急ぐあまり実務に直結するスキルアップだけに偏らないことだと言えます。つまり若いうちから”人格を磨くこと”と”実務のスキルアップ”両方をバランスよく行っていくこと。人格を磨くことは、➀行動を通じて日々改善をしながら向上させる、②上司や先輩で素晴らしい人がいればその人の考え方や行動を真似する また人格を磨いていくことで、忠信孝弟をが身に付き、結果として知恵と能力の開花で仕事での成果につながるからと言えます。
 忠:良心的であること、信:信頼されること、孝弟:親や年長者を敬うこと

第7章:算盤と権利

私利私欲ではなく、社会の利益を優先すべき。正当な理由がある場合は、権利を主張してもよい。仕事においても自己開発が必須で、合わせて気配りをしていくこと。悪意の競争(他人の足を引っ張ったり、成果を横取りする)をしてはならない。

⇒自分自身の考えや行動が本当にクライアントの利益につながっているか、自分や自社・自部門の利益だけになっていないかを常に自問自答しながら自分の日々をチェックしていく姿勢が必要だということですね。(人間は怠惰で自分に甘いですからね、、)
また妬み嫉みの感情で、チームメンバーや周りの足を引っ張って優位に立つ行為はしないようにしましょう。逆に周りにそのような人間がいる場合には、上司にエスカレーション、もしくは毅然と対応することも時には必要ですね。

第8章:実業と士道

実業においても、利己心に立脚した利益追求ではなく、道徳心を大切に、武士道精神(正義・廉直・義侠)で信用を得て、国や社会発展のために尽力することが何よりも重要

⇒日々の仕事でいきなり、国や社会発展にどう役に立っているのかは少々壮大と感じるのではないでしょうか。まずは、「この仕事やプロジェクトが成功するとクライアントのビジネスにどう貢献しているのか」、「消費者にどんな価値を提供できているのか」、その結果、「どんな影響を与え、誰が喜ぶのか」ということを意識するだけでもまずは良いと思います。またビジネスは信用の上に成り立っているので、正しい行いをする、誠実に素直に、困っている人を助けるということを積み重ねていくことも忘れないようにしましょう。
 正義:皆が認めた正しさ 廉直:心がきれいで真っ直ぐなこと 義侠:弱気を助ける心意気

第9章:教育と情誼(じょうぎ)

親孝行は、親が子に強要するものではなく、親が孝行できるようにするべきだ。

⇒少し仕事から離れますが、子供がいる場合は、親孝行をしてくれと要求をするのではなく、子供のサポーターとして寛大な心で子供のやりたいこと目指すことを後押ししましょう。そうすると子供は親に自然に感謝して親孝行になるはずです。

第10章:成敗と運命

人事を尽くして天命を待つ心構えが必要、成功や失敗という価値観から抜け出して正しい行動をし続けることにこそ成功・失敗というレベルの違う価値ある生涯を送れる。成功は結果として生まれる残りカスのようなもの。

⇒正しい心構えで、全力を尽くしてそれでも失敗したのならばそれは気にすることはない、その失敗にめげずに再チャレンジしていく気構えが必要。目標を達成した・しないに一喜一憂しないで淡々となすべきことを日々実施していくことのほうが大切だと言っているのだと理解しました。

忙しくて本を読めないという方は、まずは漫画で概要をつかむのもお勧めです。

まんが 超訳「論語と算盤」 渋沢栄一